コラム
2017/12/18

リーダーシップ向上のためのPM理論とSL理論

(写真=Brian A Jackson_Shutterstock.com)
(写真=Brian A Jackson_Shutterstock.com)
「リーダーシップ」による組織への影響は計り知れないものがあるため、多大な研究や議論がなされ、数多くの理論が存在しています。

また、リーダーシップは必ずしも一つの方法が最適とはされておらず、客観的な認識により状況に応じた方法を選択することが重要と言われています。今回はリーダー自身の行動や部下の状況によって分類されるリーダーシップ理論として「PM理論」「SL理論」について紹介します。

2つの能力で分けられる「PM理論」


「PM理論」とは元九州大学教授の三隅二不二氏が提唱したリーダーシップ理論です。

目標や計画、指示などチームを管理し、時にはメンバーへ叱咤激励をする「目標達成行動:P行動(performance)」と、チームワークを重視し、チーム内の信頼関係や良好な人間関係を維持する「集団維持行動:M行動(maintenance)」の二つの能力に分けられます。

この二つの行動能力の強弱によって分けられ、能力が強いものは大文字(P、M)弱いものは小文字(p,m)で表し、それぞれを組み合わせて四種類に分類されます。

● PM型:P行動、M行動がともに強い。
部下の状況に気をかけ、チームワークを大切にするなど、人間関係を重んじながらも目標を達成する能力も持ち合わせた理想的なリーダーシップタイプです。

● Pm型:P行動が強いがM行動が弱い。
目標達成は可能なものの、チーム内の人間関係への配慮ができていないため、部下からの信頼を得づらく、チーム内に不協和音が起きやすいタイプです。

● pM型:P行動が弱くM行動が強い。
チーム内をまとめる力はありますが、そちらに重点を置くため目標達成がなかなかできないタイプです。チーム内の雰囲気は良好なため、部下からは好かれやすく信頼関係も構築できるため、長期的な目標であれば達成が可能です。

● pm型:P行動、M行動がともに弱い。
成果を上げることができず、目標を達成できません。また、メンバーにも関心が薄く、メンバー内をまとめる能力もないため、リーダーには向いていないタイプと言えます。

部下のタイプで分けられる「SL理論」


「SL(Situational Leadership)理論」とは、P・ハーシー氏とK・H・ブランチャード氏が提唱したリーダーシップ理論です。 

誰に対しても同一のリーダーシップで対応するのではなく、部下の仕事に対するスキルやコミュニケーション能力など、タイプ(成熟度)によって、柔軟に対応を変えていきます。部下のタイプに応じて、リーダーシップは以下の四つに分類されます。

● S1:教示的リーダーシップ
新入社員など、部下の成熟度が低い段階に適したスタイルです。会社のビジョンや目的の理解までは難しいが、指示されたタスクをこなすことができるため、ゴールの明示や手順を詳細に指示するなど、リーダーが意思決定や進捗管理を行います。

● S2:説得的リーダーシップ
仕事に対する成熟度はまだ発展途上であるが仕事は一通りこなしたことのある、入社2~3年目などの若手社員に適したスタイルです。

目的の理解にはまだ足りないため、リーダーは与えられた仕事の必要性や価値についての説明や、仕事の進め方などの指示やフォローを行います。

● S3:参加的リーダーシップ
中堅社員など業務遂行が十分でき、一定レベルの能力があるものの、まだ単独での業務遂行に自信が持てない社員に適したスタイルです。

意思決定が必要な場面では部下と一緒に検討し、部下が自身の能力に対する不安を払拭できるように働きかけます。

● S4:委任的リーダーシップ
業務遂行レベルが高く、仕事への自信も持ち合わせたマネジメント層に近いベテラン社員に適したスタイルです。

自発的な行動ができるため、詳細な指示は与えず業務を全面的に任せ、リーダーはゴールまでの過程をモニタリングします。もし不安や迷いが生じた場合には、一人で抱えてしまわないよう見守りつつ、万が一の際にはフォローすることが大切とされています。
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