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2018/03/01

名経営者が共感する、リーダーシップを学ぶための書籍とは

(写真=Rasdi Abdul Rahman/Shutterstock.com)
(写真=Rasdi Abdul Rahman/Shutterstock.com)

経営とリーダーシップに関する本は数多く出版されていますが、今回はユニクロの柳井正社長が自身の「運命を変えた」「最高の教科書」と評価している経営書『プロフェッショナルマネジャー』をご紹介します。

『プロフェッショナルマネジャー』の概要

『プロフェッショナルマネジャー』の著者であるハロルド・ジェニーン氏は、かつて米国のコングロマリット(多国籍企業)であったITT(インターナショナル・テレフォン・アンド・テレグラフ・カンパニー)の元最高経営責任者であり、社長就任(1959年)から58四半期連続増益という実績を残した人物です。

『プロフェッショナルマネジャー』は、このような傑出した実績を築いたジェニーン氏が、経営者として経験・体得したことについて記した書籍です。ジェニーン氏が書籍の中で触れているポイントは数多くにのぼるため、一部を紹介してお伝えします。例えば第2章では目標を明確にし、それを周囲に示して成功を目指すとする「三行の経営論」について触れました。

「本を読むときは初めから終わりへと読む」「ビジネスの経営はそれとは逆だ」「終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ」と説いています。

そして、「終わりから始める」という経営を実践するためのノウハウ、対処法、心構えなどを具体的に記しました。そして、本の最後には、「ビジネスにおける最大の偉業は、人生のほとんどあらゆる場面におけると同様、天才によってではなく、平凡な普通の男女によって成し遂げられる」と記しています。

ユニクロの柳井正社長も愛読

ファーストリテイリング会長兼CEOの柳井氏は、経営者として経験がまだ浅かったユニクロの第二号店をオープンさせた頃に『プロフェッショナルマネジャー』を手にし、「これが経営だ」と感じたといいます。

それまではゼロから始めて一つひとつの形にすることが経営と考えていましたが、先述の「三行の経営論」に習って「経営はまず結論ありき」として結論から逆算していく考え方になり、経営概念が180度変わったと解説します。

その後のユニクロの快進撃の裏に『プロフェッショナルマネジャー』から柳井氏が学んだ経営論があったのです。

書籍から学んだ内容を実践に移していくために

柳井氏が解説で記した内容から、以下の様な経営のポイントについても伺うことができます。

● 目標の設定と逆算
設定する目標は、常に成長していくために高い目標であること。そしてその目標を明示し、実現に向けてなすべきことを確実に実行することの重要性を柳井氏は記しています

● 「緊張感ある対等関係」
柳井氏は経営者と現場に「緊張感ある対等関係」が必要としています。サッカーに例えると、監督がゴールを明確にし、たどり着くまでのルールや戦略の指示、ポジションの割り振りを行い、選手は状況次第で自己判断を行い臨機応変に動くなど、それぞれが自分のポジションでできる最善の方法を実施することによって、チームとして勝利を導きだすというものです。

● ロジカルシンキングの限界
柳井氏は勉強した知識だけに依拠しているエグゼクティブの姿勢に懐疑的な見方をしていることが、解説から伺えます。机の上を片付ける暇もないほど経営者は経営に没頭するべき、と述べ、知識一辺倒のあり方を否定しています。

大企業の成長をリードした柳井氏の言葉から、常に実践や行動を重視し、明確な目標を設定することの重要性を感じていることが伺えます。また時には緊張をつくることも辞さない、という姿勢から学べる点もあることでしょう。

常に未来を見据えている経営者のあり方を感じることのできる一冊となっているのではないでしょうか。

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